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喜びを生み出す行動力<br>  - 文化を伝える丸亀うちわ -

香川県で1975年に創業された紙工芸やまだは、うちわの製造を中心としたメーカーである。

2代目社長の山田時達さんは、丸亀うちわの自社ブランド「うちわ屋 涼」を立ち上げた。

その背景には、地元の産業への想いと山田さんならではの価値観があった。

 

ずっと携わってきたこと

紙工芸やまだは、山田さんの父親が起業した。

「父はモノづくりが得意な人だったので、周りの人から『こんなものが作れないか』と相談されることが多かったみたいですね」

そうした相談がきっかけとなり、400年の歴史を持つ地場の産業であるうちわの製造を始めることになった。

「今、よく目にするプラスチックのうちわがあると思うのですが、それを機械生産するための原型を作ったのが父なんです」

2022年には、丸亀市が国内シェアの90%の生産量を占めるまでになったが、山田さんの父親は、その仕組み作りに寄与したのだ。

そして、山田さん自身は建築の専門学校を卒業したのちに、紙工芸やまだへ入社した。

「入社して三年経った時に、父が病気で他界しました。それを機に社長へ就任しました」

こうして23歳の時から、社長として、事業、そして地場産業に携わってきたのだ。

 

喜びを生み出す仕組みを作る

山田さんは、地場産業である丸亀うちわの全体像を知る中で、ある想いが芽生えてきたという。

「丸亀うちわは一本の竹から職人の手仕事により作られます。その昔ながらの技法が、四百年間続いているんです」

しかし、今は危機感が強いという。

「この数十年でプラスチックのうちわが主流になってきました。このまま何もしないと、伝統的な丸亀うちわがなくなってしまう。だから無くならないよう、継続できる仕組みをつくりたいんです」

そのために立ち上げたのが「うちわ屋 涼」というブランドだ。

「今は、せっかく職人として技術を身につけても、そもそも仕事が少ない。だから、まずは自分たちが丸亀うちわの販売実績を残すことで、他のメーカーの中でも『うちも丸亀うちわを作ろうか』というところが出てくるんじゃないかと思うんです。そうすれば、仕事が増えるので職人さんも喜んでくれるはず」

他社も巻き込みながら、地場の産業を支えていく。
つまり、山田さんにとっては、自社だけが良ければ良いということではないのだ。

「父も、自分が開発したプラスチックうちわの生産機械の特許を取らなかったんです。『自分たちだけが良ければ良い』というのではダメだと思っていたんでしょうね」

自社だけではなく地場の産業のために、というDNAが、紙工芸やまだには宿っている。

 

必要だと思ったことは必ず実行する

山田さんが「うちわ屋 涼」を立ち上げた背景には、山田さんならではの価値観があった。

「丸亀うちわの組合でも『伝統的な丸亀うちわを残すために、何かやらなければならない。』という声がありました。私も同じ想いでしたし、言うだけではなく、実際に行動することが大切だと思ったんです」

自分が変えるべきだと思ったら、行動しなければ納得できないという。

「ずっとうちわに携わってきてるので、うちわの良さを知ってます。それをもっと広げたいんですよね」

そんな山田さんは、うちわで社会の役に立つことができないかをずっと考えている。

「REFINE(リフィネ)と言う商品は、海の環境保全のために、廃棄される漁網を活用した商品です。海洋ゴミ問題に対して、自分達が出来る事を考えました」

今も、竹を探すところから全て職人の手仕事で作られている丸亀うちわ。
そこに、紙工芸やまだのDNAと山田さんならではの価値観が組み合わさっているのだ。

そんな「うちわ屋 涼」の商品を通じて、日本の夏を支えてきた技術と文化を感じてみてほしい。