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カート

カートが空です

心でつながる<br> - 人へ真摯に向き合う文化が生み出すタオル -

1963年に愛媛県西条市で創業された渡辺パイル織物は、タオルの企画・製造・販売を行っているメーカー。

社長の渡邊千歳さんは、ご主人でもある先代の利雄さんが急逝してから、長女・有紗さん、長男・文雄さんの三人で会社を支え続けてきた。

新しい渡辺パイル織物を作り上げていきながらも、利雄さんが大切にしていたコトは、変わらずに残り続けている。

 

守りたい人がいるから進む

先代の利雄さんは、根っからのタオル好きだったと千歳さんは言う。

「新婚旅行で海外へ行った時も、道を歩いていてタオルショップが目に入ると、すぐにお店へ入ってしまうくらいタオルが好きでした。『自分で考えたタオルが、目の前で織り上がっていくのが本当に感動する』とよく言ってましたね」

それほどタオルを愛していた利雄さんだったが、2019年に急逝した。

「本当に急なことでした。ただ、従業員の方々もいるので、会社を守っていくためにも、悲しんでいる暇がなくて。告別式の翌日から三人とも仕事をしてましたね」

文雄さんも同じような気持ちだった。

「私が渡辺パイル織物に入社してから、父とは、ほとんど一緒にいました。何でも相談できる相手だったし、存在が大きすぎて。悲しむとマイナスにしかならないなと思いました。何より、父という偉大なリーダーを失ったけど、従業員さんが辞めずに残ってくれたんですよね」

従業員が残ってくれたのは、利雄さんの教えが影響していたのかもしれない。

「父からは『自社工場や協力工場に用事がある時には、電話で伝えるんじゃなくて直接会いに行け』と言われてました。だから、自社工場にも毎日顔を出していたので、お互いのことがよく分かっていたんだと思います」

常日頃から、従業員の方々に対して真摯に向き合ってきたからこそ、従業員に必要以上の不安を抱かせることがなかったのだと感じた。

 

関わるすべての人へ真摯に向き合う

利雄さんのこうした人に対して真摯に向き合おうとする姿勢は、渡辺パイル織物の中に、着実に根付いている。

「コロナ禍でタオルの原材料費が高騰した時もありました。ただその時も、品質を下げるのではなく価格を改定することに至った理由を、消費者にきちんと説明しました」

そして、こうした姿勢は従業員や消費者に対してだけではない。

「綿を仕入れる時も、できる限り現地の農場へ行き、生産者と直接お会いするようにしています。どんな綿なのかも見ていますが、作っている人たちが、どういう想いで作っているのかも知りたいんです」

原料となる綿を作っている海外の農場の人たちのことまで知っているタオルメーカーは、少ない。

「実際に綿を仕入れている農場の人には、出来上がったタオルを持って行ってます。現地の方々は、自分たちが作っている綿が、どういう商品になるのか知らないんです。だからタオルを持っていくと『こんな素敵な商品になるんだ』とすごく喜んでくれます」

渡辺パイル織物は、自分たちに関わる全ての人に対して、真摯に向き合っているのだ。

 

助けられたことを絶対に忘れない

そんな渡辺パイル織物のモノづくりにおけるこだわりの一つは、消費者にとって良いタオルを作ることだ。

「ずっとフワフワが続く、そして耐久性があるタオルを消費者へ提供したい。そのために、最適な綿を仕入れ、最適な加工や縫製の方法を考えています」

渡辺パイル織物の商品は、一つ一つ、素材や製法が異なるという。

「商品の中には、ふっくらさせるために、織機のスピードを通常の10分の1くらいまで落として作っているものもあります。メーカー本意で、作りやすい製法を選択するということは絶対にしないですね」

なぜ、ここまで他者に向き合えるのか。文雄さんは言う。

「父は高校の時に両親を亡くしました。その時、周りの人たちに、すごく助けてもらったので『人に恵まれた。だから自分も人を裏切れない』とよく言ってました」

利雄さんのこの原体験が、今の渡辺パイル織物のモノづくりの根底にあるのだ。

利雄さんが亡くなり数年経った今、新たな渡辺パイル織物へと着実に歩みを進めている。
しかし、”本当に大切なもの”は今も変わらず、ずっと紡がれている。