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壁を乗り越え続ける<br>  - ありそうでなかったを形にしたお香 -

1988年に兵庫県淡路市で創業された新香は、線香・焼香・香炭・お香の製造・販売を行っているメーカー。

2代目社長の矢野剛史さんが開発したお香の自社ブランド「SOZO」は、2024年の冬にローンチされた。

構想から5年もの開発期間を要した「SOZO」には、矢野さん/新香の並々ならぬモノづくりへの想いが込められている。

 

受け継がれるDNA

新香は矢野さんの父親が創業した。

「父の実家も線香のメーカーでした。最初は家業を手伝っていたようなのですが、自分でやりたいと考え家業を出て、起業しました」

起業後は、業界初となる火種付きお墓参り用の線香を開発する。

「お墓参りの時に風が強かったりするとお線香に火がつきづらいことがあると思います。その悩みを解消するために、束ねたお線香の先に点火用の芯をつけ、簡単で安全にお線香へ火をつけることができる商品を父が開発しました」

ここに新香のモノづくりのDNAが垣間見える。

「その商品は『ありそうでなかった新しい形』という評価を得たそうです」

この”ありそうでなかった”という観点は2代目の矢野さんも大切にしていて、「SOZO」のアイディアの根底にも存在していた。

 

既成概念の壁を越えていく

矢野さんは大学院で化学の研究をした後に、半導体関連のメーカーで研究職として仕事をしていた。

「子育てを機に地元へ戻ることにして、家業へ入りました。そして2015年に自分から父へ進言し社長へ就任しました。やりたいことがあったんですよね」

社長に就任してから数年が経った時、香りを軸にした商品の企画を進めた。

「お香って好きな人は毎日焚いています。一方で、慣れると香りを感じることができなくなる。また量が多いので、1回買うと使い切るまで時間がかかる商品が多いなと感じてました。だから、お香1本で複数の香りを楽しめる商品があったら良いんじゃないかと思ったんです」

この既成概念にこだわらない発想が「SOZO」開発の起点となる。

「開発に5年かかりました。従来の方法では、複数の香りを1本に繋ぎ合わせることができなかった。一緒に開発を進めた弟が、技術系の仕事が得意なので製造用の機械も1から自分たちで作り、壁を乗り越えました」

商品の企画だけでなく製造さえも既成概念にはこだわらず、自分たちならではの方法を見出し、ローンチまで辿り着いたのだ。

 

細部にまで宿る想い

5年間、諦めることなく「SOZO」の開発に向き合えたのは、なぜか。

「企画の話をした時に『ありそうでなかった。おもしろい』という声をお客様からいただいていたことが大きかったです。諦めたらそこで終わりですからね」

多くの苦労を乗り越え生まれた自社ブランド「SOZO」には、矢野さんのあらゆる想いが込められている。

「ブランドロゴのドアのイラストには、いろんな人と出会いたいという想いを込めました。古典的なビジネスなので、普通に事業を進めているとエンドユーザーの方々の顔が見えづらい。自分たちの作ったモノの評価をエンドユーザーの方々と直接コミュニケーションしながら知りたいという意思を表しています」

”ありそうでなかった”は、こうした愚直なスタンスから生まれるのだと感じた。

「日常の中で心を穏やかにできるような香りの商品を届けていきたい」

このシンプルな言葉の中に、矢野さん/新香のモノづくりにおけるブレない芯のようなものを感じた。

そしてそれは、見学に伺った際に見た「1本1本のお香を丁寧に検品しながらパッケージに封入していく姿」に強く表れていた。